No.1118 ≪起業するなら、今。≫-2020.6.17

世の中が激変する戦中戦後は、いたるところにチャンスがいっぱい転がっています。「コロナ禍」という戦争の最中であり、戦後は従来の枠組みや価値観が全く通用しない時代になります。規模の大きい企業や業界の雄ほど痛手も大きいので、回復に時間がかかります。従来の既成の特権階級や支配階級の影響力が弱まります。

さらに、コロナは「非接触」という概念を世界中に浸透させました。顧客に接触することで高品質のサービスを提供して成り立っていたあらゆるビジネスが成り立たなくなり、休業を余儀なくされました。
その代わりに出てきたのが、接触しないでクオリティの高いコミュニケーションを提供するビジネスです。世界中がネットでつながっている現代はデジタル化によってさまざまなビジネスが「非接触」のオンラインサービスが成り立ってゆきます。

オンライン授業、オンラインセミナーは言うに及ばず、ZOOM に代表されるオンライン会議は常識になりました。オンライン名刺交換も様々なソフトが発売されて人脈系統図まで作成できます。オンラインライブは 3 密対策をとると採算の合う客数にはならないので無観客ネット放送に変わりました。オンラインバスツアーは事前に参加者に現地のお土産や名所案内がいて、バスガイドが現地の動画をうまく活用して案内します。オンラインサッカーはサポーターがスマホで声援やメッセージを送ることができ、それが無観客のはずのスタジアムのスピーカーや電光掲示板に流れるという仕組みで、居ながらに生の試合を観戦できます。オンライン飲み会は実に 75 万回以上利用されているようですがこのアプリはたった 1 日で完成させて動かしているそうです。ビジネスモデルとしては広告収入を得るモデルです。コロナが始まって 4か月。本当に短い間に実にいろいろなアイデアが生まれています。

オンライン以外の「非接触」では、店頭に設置されている消毒液ボトルに手を触れずに噴射できるペダル式装置も売り出されています。O-157が蔓延した時に水道の蛇口がペダル式に変わり、今ではセンサー式になったのを思い出します。エレベーターボタンを押したり、マスクをかけたりするときに便利な「しっぽの貸し手」(山本製作所)という抗菌性の強い真鍮を使ったフックも話題です。

不特定多数の人が接触するノブ式ドアは今後自動ドアにとって代わると思います。

コロナ前の EC(electronic commerce)はネットだけでは信頼性が乏しいため、都心部の目抜き通りに店舗も構える「クリック&モルタル」タイプが多く、かなりの資本力が必要でした。しかし、コロナ後はネットだけで成り立つ時代になります。店舗不要なので高い家賃や人件費といった固定費が少なくて済みます。

半年前までインバウンドの外国人観光客でにぎわい、ビジネスの主流となっていた外国人が入国禁止で来日できないのですから、一斉に閑古鳥が鳴くビジネスが多数できました。一度でも来日して日本の文化やサービスを体験した人は、ほぼ間違いなくもう一度味わいたい、体験したいと思うはずです。ならば、どうするか。半年前は来日していただいたけれど、今度はこちらからオンライン訪問するビジネスが成り立つのではないでしょうか?北海道のパウダースノーを届けたり、忍者コスチュームを送り忍者ゲームをするとか。

コロナ前に立ち上がった「メルカリ」や「ZOZOタウン」も「非接触」ビジネスで EC(electroniccommerce)です。「メルカリ」はネット上のフリーマーケットでマッチングビジネスです。「ZOZO タウン」は楽天同様の出店形式の通販ですが、自社物流で出店先の預かり在庫でビジネスするので在庫負担がなく amazon よりも有利なビジネスです。
SOHO という言葉を覚えておられますか? 1989年 11 月のベルリンの壁が崩壊し東西冷戦が幕を下ろしアメリカ一強時代になりました。
1995 年に Windows95 が発売されたこともあり、当時のアメリカは PC ブームを迎えて IT バブルとなり、個人がネットを使って自宅やガレージで起業することが盛んになりました。
SmallOffice Home Office の略で SOHO です。ピークの 1996 年には 1600 万社が起業しました。その半数は女性で、主にホームオフィスを中心に起業しました。
日本にも個人事業主や小規模企業が約 330 万社ありますが、今回のコロナで営業自粛や接触8 割削減などで自主廃業する企業も相当数あると思いますが、コロナ後に起きるであろうSOHO はネットを使ったオンライン又は非接触ビジネスが中心になるでしょう。

「非接触」ではありませんが、マスクもビジネスチャンスです。2か月前には転売防止法まで必要としたマスクですが、今では市場にあふれかえり、生産拠点の中国ではマスクメーカーの倒産続出がニュースになっています。ではなぜビジネスチャンスかといえば、感染防止と熱中症対策を兼ねたマスクが求められているからです。廃棄消防ホースで製造した冷却剤ポケット付きマスク(岡谷工房)は生産が間に合わないそうです。

激変の時をチャンスととらえて、テレワークで空いた時間を使って、SOHO で起業してみてはいかがですか?
もちろん、会社には相談していただかないといけませんが。コロナ後にはどのようなビジネスが花開くのか楽しみです。