No.1293 ≪2024年を占う≫-2023.12.27

早いもので2023年も数日で大晦日を迎え、5日目は新年2024年元旦を迎えます。2023年(癸卯:みずのとう、きぼう)もお世話になり、ありがとうございました。来年の甲辰(きのえたつ、こうしんも)もよろしくお願いいたします。

世界に暦は太陽暦と太陰暦と太陰太陽暦のおおきく3つあります。太陽暦は太陽の黄道をもとにした暦で1年を約365日とし、太陰暦(イスラーム圏で使用されているヒジュラ暦)は月の満ち欠けを基にした暦で1年は約354日、太陰太陽暦は日本の旧暦にあたり、太陰暦のずれを閏月を入れることで太陽暦にあわせたもので1年は約365日になります。日本でも新月の日を朔日といい、3日目を三日月と言い、15日は満月で十五夜と呼ぶのはその名残ですね。実際には国や民族によって暦は改善されているので種類はもっと多いようです。
日本でも季節の変わり目を表す24節気がありますが、太陽の黄道を15度刻みに24等分したものですから新暦(太陽暦)の一種です。これは農業にとって重要な暦となります。
古代の人は天体の動きや自然界の森羅万象の変化を統計化し天文学として熟知し生活の智慧としていたのですから敬服に値します。天文学と言えば、干支、陰陽五行があります。例年のごとく、2024年の新年を干支ではどう表現しているか見てみましょう。

2024年は甲辰(きのえ・たつ)です。甲(きのえ)はよろいを付けた草木の芽がその殻を破って頭を少しだしたという象形文字です。これは旧体制が破れて革新の動きが始まることを意味しています。旧来の陋習を破って革新の歩を進めねばならない年です。辰(たつ)は理想に向かって辛抱強く慎重に抵抗や妨害と戦いながら障害を取り除くことが必要です。甲(きのえ)と辰(たつ)が合わさった甲辰は春になって古い殻を破って新芽が芽吹くのですが、環境が厳しくて芽を伸ばすことができない状態を表しています。抵抗勢力を抑えて旧体制の陋習にけじめをつけて終止符を打ち、新たな体制を威風堂々と進めてゆかねばならないことを暗示しています。翌年の2025年の乙巳(きのとみ、いっし)は大化の改新(乙巳645年)のような大波乱を含むエネルギーの蓄積を意味していますので、2024年甲辰のうちに筋道をつけねばならないのです。

今年(2023年「癸卯みずのとう又はきぼう」)は乱れ切った世相に筋道をつけきれるかどうかにすべてが掛かっているとても重要な1年でしたが、残念ながら2年連続で干支の本質と真逆の年になりました。
高度成長期の日本は「経済は一流、政治は三流」と言われてきましたが、ついに「経済は二流、政治は論外」となってしまいました。
経済ではビッグモーター疑惑が落ち着いたかと思っていたらダイハツ不正認証で全車種出荷停止という前代未聞の事件が起きました。政治ではパーティ券を通じた還流やナカヌキというセコイ話題で自民党幹部や現職大臣が何人も更迭されたり、財務大臣が税金滞納常習の税理士だったことが発覚するなどブラックジョークのオンパレードでした。警察官のロマンス詐欺や自衛官の給付金詐欺など職業意識の劣化は目も当てられない状態です。陰湿なジャニーズ性加害問題も発生し、「乱れ切った世相は」2年連続で今年も続いてしまいました。「きぼう」は大谷翔平、山本由伸、藤井総太といった20代のさわやかなアスリートの活躍だけです。

2年連続というのは、2022年壬寅(みずのえとら)は規模拡大よりも人物を見極め慎むことが重要な年でした。結果は、参議院選挙中に安倍元総理が街頭演説中に襲われ横死し、その後の旧統一教会問題では日本中が大混乱し関係した大臣の相次ぐ更迭で人選びの問題が露見しました。同様に、公人たる政治家や選良、官僚が違法行為を平気で行うという厚顔無恥な行為が横行し、コロナ補助金で私腹を肥やす役人、医療関係者が多数表面化しました。筋道が通っていない世情を裏付けてしまったのです。世界をみても国連常任理事国のロシアが親にあたるウクライナに侵攻するという暴挙に出たり、中国が台湾に対して不穏な発言や動きは、干支の本質と真逆の行動で、筋道や原理原則が通っていない1年だったからです。
2022年壬寅(みずのえとら)と2023年癸卯(きぼう)の2年間に蓄積された不自然なエネルギーが圧縮増幅された状態が2024年甲辰(きのえたつ)ですので、いかに大事な年かがわかっていただけるのではないでしょうか?

過去の歴史を見ると60年前の1964年甲辰(きのえたつ・こうしん)は日本では岩戸景気から所得倍増計画により高度成長が続き、東京オリンピックを機に名神高速開通、新幹線開通などインフラが整備され、干支のエネルギーをうまくいかすことができました。一方世界をみると、ソ連はフルシチョフによる農業政策失敗で大凶作発生、アメリカでは凶弾に倒れたJFKが人種差別禁止を推進した公民権法成立、中国ではソ連の反対を押し切り核実験強行するという東側の対立が表面化しました。
更に60年前の1904年は日露戦争が勃発し、アメリカのルーズベルト大統領の仲介でなんとか講和が成立しましたが犠牲の割には勝利とは程遠い状態で終わりました。講話のタイミングが遅ければ日本はどうなっていたかわかりません。日露戦争の戦費返済は1950年代とも80年代ともいわれていますが正確な資料は見つかっていないようです。
さらに60年前の1844年は水戸藩主徳川斉昭が掲げた尊王攘夷思想(幕府は君主である天皇から統治委嘱された機関であり、脅威となっている外的を駆逐しなければならない)が幕府に弾圧されました。しかし、最後の将軍徳川慶喜は水戸藩出身の尊王攘夷論者であり明治維新へと導いたのです。

日本が乱れ切った世相に筋道をつけきれるかどうかにかかっていることをいしきしながら、自社の経営はきちんと筋道をつけて発展させてゆこうではありませんか? 来年もよろしくお願いいたします。

参考
干支(えと)の前部分にあたる十干は兄・エと弟・オトの陰陽と木・火・土・金・水の五行からなる陰陽五行で、生命・エネルギーの変化を表しています。種から芽が出て成長して「木」となる、木が成長すると摩擦で燃えて「火」が起きる、火が燃えると「土」となる、土は「金」(鉱物)を育て、金のある所には「水」が生まれる、水はすべてを押し流すとともにすべての命の種を育てる。木の兄(キノエ=甲)、木の弟(キノト=乙)、火の兄(ヒノエ=丙)、火の弟(ヒノト=丁)、土の兄(ツチノエ=戊)、土の弟(ツチノト=己)、金の兄(カノエ=庚)、金の弟(カノト=辛)、水の兄(ミズノエ=壬)、水の弟(ミズノト=癸)で十干になります。

十二支は生命・細胞のライフサイクルで誕生から老衰のプロセスを意味し、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥で表現されます。
「子」(ね)は無数の生命がやどる状態で、「丑」(うし)は母の胎内から出て手を伸ばしている姿、「寅」(とら)はすくすくと成長するさま、「卯」(う)は成長して戸を開けて積極的に未開の地を開拓する、「辰」(たつ)は開拓を進めると出くわす障害物を取り除く、「巳」(み)は地上の障害物を取り去ると地中に隠れていた問題が表面化する、「午」(うま)はそれによって事態が紛糾する、「未」(ひつじ)は事態収拾のためには思い切った改革が必要になる、「申」(さる)はそれぞれの勢力が伸長しさらに紛糾する、「酉」(とり)は新しい勢力が甕の中で発酵し勢いを持ってくる、「戌」(いぬ)は様々な勢力が入り混じりカオス状態になり、「亥」(い)はついに核爆発を起こしご破算になり、次の循環、すなわち母の胎内で生命が誕生する「子」(ね)を迎える。この一連の生命・細胞のサイクルが十二支となります。
この組み合わせが干支で60通りあります。一巡すると、還暦となります。