最近、多くの企業で「募集広告を出しても全く反応がない」という声をよく聞きます。
転職サイトを見てみると約21社ありました。リクルートダイレクトスカウト、DODA、リクルートエージェント、BIZリーチ、JACリクルートメント、JAC Career、ランスタッド、マイナビエージェント、マイナビジョブ20’S、マイナビITAGENT、レバテックキャリア、DYM就職、TYPE転職エージェント、G-JOBエージェント、ハタラクティブ、ジェイック就職カレッジ、ウェルオブテック、グリーン、パソナキャリア、AMBI、SPRING転職エージェント、、、他にもあるかもしれません。
厚生労働省の労働統計によると、ハローワークに掲載されている2022年度平均給与を見ると、全国平均では月額238千円で、昨年の1.7%UP、5年前に比べても7.2%UPでした。地域別にみると、昨対伸び率ベスト5は佐賀県2.9%、山梨県2.6%、岩手県2%、宮崎県と沖縄県2.0%の順です。5年前と比べたベスト5は、佐賀県11.5%、沖縄県11.4%、北海道11%、山梨県10.8%、長崎県と岩手県が10.2%です。地方の労働事情が厳しいことがうかがえます。
また、労働政策研究・研修機構の調査によると2023年4月現在の有効求人倍率(1人の求人に対する求職者の割合)を見ると、最も低い(つまり応募者が少ない)順に見てゆくと、神奈川県0.9倍、兵庫県1.03倍、埼玉県1.05倍、千葉県・沖縄県1.06倍、北海道1.07の順です。1人の求人に応募がほとんどない状態になっているのがうかがえます。1年前(2022年5月)の有効求人倍率の低い(つまり採用が厳しい)順に見てみると、沖縄県0.85倍、神奈川県0.87倍、千葉県0.94倍、兵庫県0.99倍、埼玉県1.06倍です。1年前に比べると少しは採用の可能性が高くなりつつあるという状況です。この原因はさまざまでしょうが、コロナ禍で失業リスクを味わった方はたとえ不満があっても今の会社に留まる選択をしたでしょうし、徐々にコロナ禍が消えつつある状況になって転職が活発になっていることをうかがわせます。
マイナビの「転職動向調査2023年版(2022年実績)」https://career-research.mynavi.jp/reserch/20230324_46906/によると、2022年の正社員の転職実績は全体で7.6%、男性で7.9%、女性で7.2%と2016年以降で最高の伸び率になったようです。アフターコロナでサービス業(観光、宿泊、交通、旅行、IT等)の求人が急増しており、それに付随する関連業種も求人が増加しています。さらに大手企業が新卒の大規模大量採用を行っています。さらにさらに海外の技能実習生が円安で日本を敬遠しています。若い人が毎年2万人がワーキングホリデーで海外に出国しています。
企業は採用が経営課題になっていますが、工夫をこらさないと若い人たちの心を掴めない時代になっています。ユニークな採用をしている企業をご紹介して参考にしていただければと思います。ユニークな採用ですぐに思い出すのは愛知県豊橋市にある樹研工業の「先着順」採用です。松浦社長様によると「能力や経歴は不問、単に応募が早かった順に内定を出している。なぜかというと答えは簡単、誰にでもよい部分はあるからだ」とか。何回面接をしても、試験をしても、本当のところはわからない。ならば先着順でも良いではないか。私は大いに賛同しています。さらに、Googleの「一緒に二人で宇宙旅行に行ける」人かどうかという基準を加えれば再強化と思います。
「採用係長の採用アカデミー」https://saiyo-kakaricho.com/wp/unique_recruitment/というサイトにユニークな採用方法の事例が乗っていたので転載します。興味のある方は覗いてみてください。
「メイクや服装で自分らしさを表現する『顔採用』」(株式会社伊勢半)
「自己表現の場に制限を設けず、ありのままの自分をアピールしてもらうことで本来の魅力を最大限に引き出し、ポテンシャルの高い人材獲得する『全国オーディション採用』」(日本交通株式会社)
「医師は誰よりも健全な肉体であること。病院には24時間利用できるトレーニング室およびシャワー室、体育館完備した『筋肉採用』」(医療法人 重仁会 大谷地病院)
「勤務もスポーツも取り組む人材募集。スポーツで培った体力や精神力が仕事に相乗効果をもたらす『アスリート採用』(株式会社IBJ)
他にもたくさんの事例が掲載されています。
採用苦境は企業が幸福の門に入るきっかけになります。企業は解決できる課題や苦境しか与えられないという鉄則を思い出してください。