沖縄で生活して30年になります。関西と沖縄を毎週行き来して、年々、沖縄が涼しくなっていると感じます。逆に言えば、関西が暑くなっているともいえます。昨日(2018年7月17日)、神戸空港から那覇空港についた時に、「何と涼しい」と思いました。その日の京都の最高気温はなんと38.1度。沖縄の最高気温は31.5度。なんと7度近く低いのです。京都では木陰に入っても風がないので逃げ場のない暑さです。沖縄は風があるので、木陰にさえ入れば、心地よい涼しさがあります。
もしかして、関西の異常な暑さに体が順応できず、鈍感になっていて、肌感覚が間違っているかもしれないと思い、気象庁のホームページhttps://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php/で確認しました。なんと、やはり沖縄は涼しいのです。
気象庁のホームページで確認できるデータは、1880年11月からです。沖縄・那覇と京都市の7月と8月の最高気温をみると、最高気温が33度以上の月を数えてみると、過去130年間で、沖縄は3回ですが、京都はなんと、58回もありました。京都の方が暑いのです。念のため、大阪市も見てみると、なんと57回。関西の方が沖縄より暑いのです。中でも、最高気温が33度以上になるのは1990年以降が顕著です。
私が沖縄に初めて上陸したのは1989年(平成元年)1月ですが、その当時と2017年を比較してみると、沖縄の平均気温は約2度上昇して、7月は29.9度、8月は30.4度でした。一方、京都も約2度上昇して、7月は28.4度、8月は28.7度でした。この数字だけ見れば、京都の方が涼しいと思いますが、体感温度はそうではありません。無風で逃げ場のない暑さと適度な風で涼しい暑さです。
夏の沖縄に来られた方は、よく御存じでしょうが、気温はそれほど高くなりませんが、日差しがきついので、すぐに真っ黒になります。水着で海に入ろうものなら、夕方にはやけどで水ぶくれができてしまいます。沖縄では日中に海に入る人はいません。日中はガジュマルの木陰でバーベキューを焼いてビーチパーティをするものです。もし海に入るにしても、長袖のTシャツを着て海に入ります。それぐらい、ガジュマルを始め沖縄の木陰は涼しく、強い日差しを遮ってくれます。体に良い塩分を含んだ風が常時吹いていますので、とても心地よく涼しいです。地面の照り返しが強いので、サングラスは必須ですが、逃げ場のない暑さの関西と比べると、暑さの質が違います。
これからの沖縄は、「避暑地になる」と実感しました。沖縄が「避暑地だ」と提唱しておられる方も多いと思いますが、これからの、沖縄の無尽蔵にある環境資源の一つは、「質の良い夏の暑さ」です。
沖縄の観光客数は、2017年に939万人となり、ハワイを凌駕しました。今年には1000万人を超えることは間違いありません。2017年度のインバウンドは約270万人で、56万人増加しました。2018年度には300万人は軽く超えるでしょう。様々な課題や問題も山積ですが、改善すれば、大きなメリットに変わります。これは沖縄経済の潜在的可能性の大きさを示しているといえます。
そのせいか、不動産価格の高騰は異常です。1990年のバブルの時、沖縄企業は、ほとんど被害はありませんでした。もちろん、沖縄もバブル経済で大変でしたが、ほとんどが本土系大手企業によるものだったので、地元企業は関与すらできなかったので被害もありませんでした。しかし、30年たって、地元企業も21世紀の落とし穴を乗り越えて、大きくたくましく成長しましたので、今回のバブルに多くの企業がかかわっています。
身の丈を踏まえて行動をしていただくことを期待していますが、こればかりは、経営者の考え方次第で、何とも言えません。
不動産価格は、場所によっては坪1000万円の土地も出てきました。少し前までは坪50万円程度だったのが、100万円越えは当たり前で、物件によっては150万円という値もついています。地主は、黙っていれば、業者が勝手に値段を釣り上げてくれるのだから笑いが止まらないかもしれません。ほどほどに、欲をかかず、身の丈に応じて行動していただきたいものです。
それはさておき、沖縄は、「避暑地」として、とらえなおすことが重要だと思います。冬は勿論、温かいですが、夏に避暑リゾート地として訪れるとよいと思います。逆転の発想で、「避暑地としての沖縄」にビジネスの可能性を見出だして、チャレンジしてはいかがでしょうか?