No.1409 ≪奇禍を僥倖に変える≫-2026.3.18

米(アメリカ)以(イスラエル)によるイランの最高指導者ハメネイ師及び幹部の殺害という軍事行動から早くも2週間が経過して、戦況が混とんとしてきました。アメリカ憲法で戦布告の権限は連邦議会にあり大統領にはないので、大統領権限内の軍事行動となりました。

米以イ紛争は、世界中でガソリン価格が急騰し、石油由来のあらゆる物資も品不足から高騰が懸念されています。今年の後半から、売り場における品不足が起きてくるかもしれません。日本では、1972年の教訓から備蓄量は254日あるそうですが、市場価格を安定させるために、備蓄原油の一部を放出する決定がなされました。令和の米騒動の教訓から見てもわかるように、備蓄物の現物放出は流通段階で吸収されて価格にはさほど効果はないでしょう。補助金(燃料油価格激変緩和補助金)は確実に効果が出ますので、基金残高2800億円(約1か月分)を使い切っても予備費で対応すると思います。

さらに、トランプ大統領から、日本を名指しして、ホルムズ海峡封鎖を解決するために艦船派遣を期待するとコメントされています。3月19日(木)に高市総理が訪米時首脳会談で対応が必要です。
法治国家日本としては、艦船の派遣は「NO」ですが、そのような単純なロジックで解決するとは思えません。たとえ、トランプ大統領一流のブラフとしても、同盟国との距離を置くことで、安全保障上、日本は核武装した露中北三国に包囲されて、援軍は期待できない状態に追い込まれかねません。そのような事態は、何としても避けねばなりません。だからと言って、簡単に「YES、OK」とも言えないので、国のインテリジェンス能力と高市総理の英知が試される時です。
ご存じのように、トランプ大統領は公約を忠実に実行しています。その手法は強引で国際法違反だとの批判が絶えませんが、この公約を掲げて当選したことは事実です。中でも公約の8番目の解説書ともいえる戦略白書「NSS2025」( National Security Strategy2025)を2025年12月にリリースしています。その最初にあるのが「世界最強の軍事力と核抑止力の維持」です。核開発する国をなりふり構わず徹底的につぶすと宣言しています。

一方、イランは2003年にリビアで起きた出来事を忘れていません。2001.9.11後、ブッシュ大統領は大量破壊兵器(核)を開発する悪の枢軸国としてイラク、イラン、北朝鮮を徹底的に制裁しました。イラクのフセイン大統領は処刑され、イランと北朝鮮は開発停止合意を結びました。のちに、イラクに核はなかったことが判明しています。その後、さらにリビア、シリア、キューバの3カ国を「大量破壊兵器を追求する国家」と指定し、制裁を加えました。そしてリビア・カダフィ大佐は核放棄を宣言しました。その結果はご存じの通り殺害され、リビアはいまだに無政府状態の国となり国家消滅したのです。それを見た北朝鮮やイランは約束を守って核開発をやれば国が消滅することを知りました。北朝鮮は露中の力を利用して今は核保有国になっています。いったん持ってしまうと制裁の対象にすらなっていません。イランはどうするでしょうか? 国家消滅と徹底抗戦の選択で、おそらく後者を選びます。そのためにはイランにとって有利な戦争のルールに変更するでしょう。

そこで、私たちも現況をもとにインテリジェンスを磨いておかねば、明日の経営に影響が出てきます。
私のアイデアは以下の通りです。
「トランプ大統領の腹の中は『アメリカの圧倒的軍事力をもってすれば短期間で決着すると言った以・ネタニヤフ大統領に賛同して行動したが、どうも状況がちがう。軍事力勝負ならアメリカの圧勝だが、イランは巧みにルールを(生存か消滅か)に変更してきた。原油の高騰は想定外だ。長期戦になれば地上軍投入となるが、アメリカの戦死者も爆増してしまう。秋の中間選挙はネガティブだ。早く決着したい。沖縄から海兵隊を中東に派遣許可したが、到着までに時間がかかる。このブラフが効いている間に、イランの親密国(中国や日本や韓国・・)にも私の味方を、たとえポーズでよいのでしてもらいたい。機をみてさっさと停戦合意して終わらせればよい。あとは以・ネタニヤフが好きなようにすればよい』という感じではないでしょうか。
ならば、中東諸国と良好な外交関係にある日本の高市総理はどうすればよいか。唯一無二の同盟国であるアメリカ・トランプ大統領に寄り添いながら、『法治国家の我が国では法的にむつかしい。しかし、なんとか、協力したいので要請を受け入れることが可能かどうか検討を始めたい。また、形式上2025年1月に実施した米国主催国際海上訓練のように海上自衛隊の2船をインド太平洋・中東方面派遣事業として計画することは可能ではないかと思っている。その代わり、トランプ大統領が訪中した帰りに日本に立ち寄って、日本の行動に敬意を表すために靖国神社に参拝したいとコメントしてもらいたい』と提案するのです。そして、二人で鳥居をくぐってもらうことで、戦後80年間、ことあるごとに、隣国から反日運動の理由にされてきた靖国神社問題が解決します。イランをはじめとした中東諸国との友好関係を維持しつつ、アメリカに貸しを作り、日本の根本問題を解決する。奇禍を僥倖に変える絶好のチャンスではないでしょうか」

皆さんが高市総理ならどのような戦略を考えられますか?