明日はGHQ占領終了に伴い日本が主権回復して70周年記念日です。忘れないでくださいね。
さて、GDP(名目)世界ランキングで日本が中国に追い抜かれて第3位になったのは12年前の2010年のことです。西ドイツを抜いて第2位になったのは1968年でしたから42年間NO.2の位置におりました。
そして、今。IMFによる2021年の名目GDPランキングでみると1位アメリカ23兆$、2位中国17.5兆$、3位日本4.9兆$、4位ドイツ4.2兆$、5位イギリス3.2兆$、6位インド3.0兆$、7位フランス2.9兆$、以下イタリア、カナダ、韓国、ロシアと続きます。日本は抜かれたとはいえ世界第3位の経済大国だと自負していました。
ところがIMFから購買力平価によるGDPランキングも発表されています。それによりますとアメリカは中国に抜かれ、日本はインドに抜かれ第4位なのです。1位中国27.2兆$、2位アメリカ23.0兆$、3位インド10.2兆$、4位日本5.6兆$、5位ドイツ4.9兆$、6位ロシア4.5兆$、7位インドネシア3.6兆$、8位以降はブラジル、イギリス、フランスと続きます。2001年にゴールドマン・サックス(GS)社エコノミストのジム・オニール氏によって発表された世界経済をけん引する新興国「BRICs」は正しかったと言えます。30年間デフレ下にあり物価が上昇しない、所得が上がらない状況ではやむを得ないかなと思いますが、ずいぶんと落ちたものです。しかし、名目GDPでも購買力平価GDPでも世界における日本経済はしばらく安泰そうなのでほっとしています。
しかし、ショッキングなことは2050年の世界です。たった28年後です。日本でバブルが崩壊して32年になりますから失われた30年といわれる時間の長さと思えばピンとくるでしょうか。
GS社が2007年に「2050年のGDP(名目)世界ランキング」を発表しています。それによりますと1位中国70.7兆$、2位アメリカ38.5兆$、3位インド37.6兆$、4位ブラジル11.3兆$、5位メキシコ9.3兆$、6位ロシア8.6兆$、7位インドネシア7.0兆$。日本はなんと8位日本6.7兆$です。
また世界最大の会計会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)社も「2050年のGDP(購買力平価ベース)ランキング」予測を2008年に発表し、その後2016年に見直して発表しています。それによりますと1位中国58.5兆$、2位アメリカ44.1兆$、3位インド34.1兆$、4位日本10.5兆$、5位ドイツ7.5兆$、6位ロシア7.1兆$、7位ブラジル6.9兆$、以下インドネシア、イギリス、フランスが続きます。
やせ我慢を許してもらえば、30年後もベスト10にとどまれているのでやれやれです。
これらの予測のベースとなっているのは人口の変化です。人口は最も正確な将来予測です。
国連の人口統計部門が2050年、2100年の予測を出しています。長期予測の確率は80%と言われていますので一応の目安にしかなりませんが、かなり正確ともいえます。
2050年の世界人口は97.3億人で平均年齢は36.2歳。2020年段階での世界人口が78億人で平均年齢30.9歳であることを考えると30年間で20億人増え、医療技術や戦争の有無、パンデミックの有無等様々な変動要素はありますが、平均年齢も6歳上昇するということは比較的穏やかな状況を予測しているといえます。
国別人口と平均年齢をみると1位インド16.4億人(38.1歳)、2位中国14億人(47.6歳)、3位ナイジェリア4億人(22.4歳)、4位アメリカ3.8億人(42.7歳)、5位パキスタン3.4億人(30歳)、6位インドネシア3.3億人(37.4歳)、7位ブラジル2.3億人(45.1歳)。日本は16位で1.1億人(54.7歳)。
ちなみに2100年は世界人口108.8億人平均年齢41.9歳で、1位インド14.5億人(46.7歳)、2位中国10.7億人(49.7歳)、3位ナイジェリア7.3億人(32.4歳)、4位アメリカ4.3億人(45.5歳)、5位パキスタン4億人(41歳)、6位コンゴ3.6億人(34.4歳)、7位インドネシア3.2億人(46.2歳)。以下エチオピア、タンザニア、エジプトと続きます。日本は0.7億人(53.8歳)となっています。インドも中国も人口減少が顕著でアフリカ勢が上位を占めるようになり、安定しているのはアメリカだけです。
これを悲観的に見るか、楽観的に見るかで、対策は大きく異なってきます。今後の世界を見るうえで、人口だけでなく、それに関連する様々な要素、つまり食料、エネルギー、戦争、病気、様々なテクノロジー、文化、政治、自由、民主主義、地球環境等そのそれぞれに暗い深刻な要素も明るいバラ色の要素も含まれています。
過去の歴史を見ると明るい楽しい未来が実現していることが明らかです。それはフランス人SF小説家のジュール・ヴェルヌの作品をみても明らかです。1865年発表「月世界旅行」の月と地球を往復する大砲は100年後のアポロ計画で実現し、1870年発表の「海底2万マイル」の高性能潜水艦「ノーチラス号」は後の原子力潜水艦「ノーチラス号」で実現し、1873年発表の「八十日間世界一周」の乗り物は飛行機を彷彿とさせ時差の知識も満載です。「鏡の法則」が生きていて明るい楽観的な楽しい未来を強く念願すればそれが未来に実現します。
私たちが日ごろ日常的に使っている技術です。
私の経験で恐縮ですが、ある業界団体の講演を依頼された時、事務局長さんから言われた言葉をいまも全くの同感をもって覚えています。
「講演のテーマは危機感や深刻な悲観がないと受けない。人を集めようと思うと危機感をあおり悲壮感のあるテーマにすればすぐ満員御礼になる」
その理由は「自分と同じように将来に不安を感じ今を苦しんでいる人がこんなにもたくさんいるのをみて安心するからです」とのことでした。
皆さんはこの現実をどうとらえ、どう行動されますか?