最近の政府の方針を見ていると、明らかに「(コロナ感染防止より)経済優先」の意思を固めているようです。
政府から「緊急事態宣言」が出ることはもうないでしょう。事態が悪化すれば、「緊急事態宣言」を出すより基準値を変更すると思います。8 月7日に政府分科会から発表された基準は、4 ステージ6 指標ありますが、「緊急事態宣言」を出す基準となるステージⅣの指標は「重症者病床使用率(50%以上)」「PCR 陽性率(10%以上)」「10万人当たりの療養者数(25 人以上)」「10 万人あたりの週間感染者数(25 人以上)」「新規感染者が前週より多い」「感染経路不明割合(50%以上)」の6 指標ですが、西村担当大臣はあえて「ステージⅣの基準に達すれば直ちに緊急事態宣言を出すわけではない。これはあくまでも目安だ」と付け加えています。従って、注意喚起をしつつ、状況が悪化すれば、政府分科会はまた新たな判断基準をしめすと思います。政府は、コロナ感染拡大よりも「経済優先」を決定したのだと思います。
最近話題になっているのが、「日本人はすでに新型コロナの自然免疫を獲得しているから、自粛は不要だし、第二波が来ても死者は増えない」とビッグデータをもとに検証した京都大学大学院医学研究科特定教授の上久保靖彦氏らの理論です。毎日毎時間懇切丁寧に日本のすべてのマスコミで報道されている内容と全く真逆の内容です。同じ事実をもとに、解釈が全く異なれば政策も全く変わってしまいます。
詳しく知りたい方は「上久保靖彦」で検索していただくと様々な記事やYouTube をご覧いただけます。にわかには信じがたい理論ですが、非常に論理的・科学的に説明されているのでとても参考になります。
上久保康彦氏の論旨を私なりに理解し整理しますと次のようになります。
「毎年12 月~2 月にかけてインフルエンザが流行し約3500 人が亡くなります。ところが、今年は例年の4 割程度しか流行しなかった。なぜか? 実は新型コロナウイルスのS 型がすでに流行しておりインフルエンザ抗体を獲得していた。これを交差免疫という。
新型コロナウイルスにはS 型、K 型、G 型の3 種類があり、2019 年12 月下旬には既に流行していたS型はほとんど無症状だったのでだれも気付かなかった。この時にS 型の自然免疫を獲得したと考えられる。S型から変異したK 型を持った中国人が春節で日本に大挙して来日した。渡航禁止になる3 月9 日まで来日した中国人は190 万人。この中にK 型感染者がおり、2020 年1 月中旬から日本でも感染者が出始めたが、8 割以上の人は無症状で軽症だった。ここでもK 型の自然免疫を獲得したと考えられる。次に重症の肺炎を引き起こす猛毒性G 型が現れ、世界中に蔓延した。日本では、S型・K 型の自然免疫を獲得しているので、G型の感染者はでるが死亡者は少ない。G型の自然免疫を獲得するまで感染者が増加するが、8 割以上は無症状・軽症で済むはずである。また、免疫は常にウイルスがいる状態(上久保先生は「暴露:ばくろ」と表現されている)で維持されるので、3密防止やソーシャルディスタンスや消毒の徹底及び外出自粛やロックダウンはウイルスとの接触が減るので良い政策とは言えない。かえって悪化させる結果になる。
但し、無症状で軽症なのは60 歳未満の健常者が顕著で、高齢者や持病のある方は注意が必要だ。この方々を徹底的に感染防止し、感染しても優先治療すれば死者は少ない。
6 月までの累計死亡者を年代別に人口10 万人当たりでみると、60 代未満では0.04 人、60 代以上で0.76 人となり、約20 倍の差があり、年齢とともにリスクが高くなることがわかります。
欧米では2 月1 日以降、入国制限と都市のロックダウンを行ったため、S 型は入ってきたが、K型の流入は食い止められた。S型の自然免疫は獲得できたが、いきなり猛毒性のG 型が入り蔓延したので、イタリアなどは一気に重症化したので日本の70 倍以上の死者を出すことになったのです。」
この理論をもとに、政府が「経済優先政策」に舵を切り、ある程度の感染者や死亡者が出ることはやむを得ないと思っているならば、それは立派な一つの政治判断なので明確に表明すべきです。このウイルスの真実はいずれ明らかになるでしょうが、今は世界の主流派の学説を論破したり説得するのは困難だと思います。GDP世界三位の日本の政治判断として実行するしかないと思います。ここは政治の出番です。そうと腹を決めれば、医療体制の崩壊を防止する意味で、今後は療養ホテルや自宅療養を政策的に増やしてゆくと思います。
いずれにしても、国の方針と地方の方針がバラバラで、政治家はだれも責任を取らず、判断を国民に丸投げして結果は自己責任だと平気で言っているように見えることが最大の問題です。
私たち中小企業は、世相に逆らって堂々と「自然免疫を獲得しているから自粛もマスクも不要だ」と主張することはできません。今の世相はそれを許さない見えない拘束があります。政治が動き出さない限り、経済も感染症も両方とも落ち着くには年単位の時間がかかると覚悟をしなければなりません。
もし感染者をだせば、強烈な見えない社会的批判を浴び、社員は差別の対象となり、業績悪化で危機に陥りかねません。たとえ、自然免疫があったとしても感染者を出すわけにはゆきません。
様々な理論に関心をもって真実を追求してゆくマインドを忘れず、一つの説に盲信せず、会社として打てる手を打ち続けましょう。
コロナ前に戻る事はもうありません。Withコロナ、ポストコロナを見据えて、考え方を変え、売り物を変え、お客様を変えてゆきましょう。