No.1143 ≪2021年を占う 断乎改革遂行の年≫-2020.12.23

最近恒例の干支で来年を占う事にします。私の干支の師匠は安岡正篤師の「干支の活学」(プレジデント社刊)及び関西師友協会の出版物です。お含みおき下さい。 2021年は干支でいえば「辛丑(かのとうし)」です。実力行使しても断乎改革遂行の年です。

今年(2020年)の「庚子(かのえね)」は大きな変化のきっかけになる年でした。
生命・エネルギーの変化に対する反応を示す庚(かのえ)は、幹の成長が止まり新たな段階に入ることを意味し、枝葉の栄養分は花を咲かせ、実がつく準備に入るのです。庚(かのえ)は3つの意味も合わせて持っており、1つは継承、継続、2つは償う、3つは更新。従来の物を断絶することなく継続、承継し、罪や穢れを払い清めて、償い、思い切って更新してゆかねばならない。つまり、進化させることが使命となります。生命・細胞のライフサイクルである誕生から老衰を示す子(ね)は、ライフサイクルの最初に循環し、種が新たな生命を誕生させることを表します。同時に収穫して貯蔵していた作物(種)を狙って増えるものが現れます。古代人はそれを子(ね:ネズミ)と連想したのです。 これらを踏まえて考えるならば、今まで営々と蓄積してきた努力の積み重ねの上に、次代に備えるために新たな風土に更新し、ステージがあがり、さらに進化させる責任がある年でした。それがまさかコロナ禍のような形で現れるとは想像もつきませんでした。

2016 年にアメリカでトランプ大統領が誕生して以 来、世界の価値観は大きく変わりました。中でも アメリカファースト政策を推し進めると GDP でア メリカを急追する中国の脅威は想像を絶したのか 貿易戦争が激化しました。100年前なら宣戦布告 と同じ意味を持っていたと思います。2013 年に習 近平主席が一帯一路構想を発表し具体化すると中 国と欧州を結ぶ貨物列車は年々倍増し、5年で約 50倍にまで増加しました。 新たな冷戦の始まりと言っても過言ではありませ ん。それが表面化したのが2019年(己亥つちのと い)です。

その前年(2019年)の「己亥(つちのとい)」は従来の価値観が通用しない年でした。
生命・エネルギーの変化に対する反応を示す「己(つちのと)」は、幹の成長は続き枝葉の繁茂は活発だが、エネルギーは実を結ぶための花の方に移行します。生命・細胞のライフサイクルである誕生から老衰を示す亥(い)はエネルギーが結実し種になり、その種が地上に落ちる段階を迎えます。これらを踏まえて考えるならば、経済的には安定成長を続けるものの、行き詰まりが見え、ピークアウトの時機を迎えるのではないでしょうか。社会的には、起爆性にとんだ年ですので、自然災害が多発します。また、働き方改革の進行や外国人労働者やインバウンドの増加から、従来の社会秩序が通用しなくなり、乱れをただす規律の強化が必要になります。政治が活躍しないと社会が混乱に陥る可能性が高くなります。」

2016年にアメリカでトランプ大統領が誕生して以来、世界の価値観は大きく変わりました。中でもアメリカファースト政策を推し進めるとGDPでアメリカを急追する中国の脅威は想像を絶したのか貿易戦争が激化しました。100年前なら宣戦布告と同じ意味を持っていたと思います。2013年に習近平主席が一帯一路構想を発表し具体化すると中国と欧州を結ぶ貨物列車は年々倍増し、5年で約50倍にまで増加しました。 新たな冷戦の始まりと言っても過言ではありません。それが表面化したのが2019年(己亥つちのとい)です。

2020年になるとコロナに明けコロナで暮れそうです。全世界がコロナ一色となり、すべての国が鎖国状態となりました。サプライチェーンが破壊され、今までの日常が崩壊し、人々の動きはストップしました。生命の安全か、経済かが主要命題になりました。一方で災害は世界中で猛威を振るい、ノアの箱舟神話やノストラダムス大予言が脚光を浴びたのも頷けるような異常気象による洪水や山林火災が発生し、ベネチアは水没、アマゾンやオーストラリアは森林消滅といえる被害を被っています。

そして2021年は辛丑(かのとうし)で、実力行使しても断固進化遂行の年です。
生命・エネルギーの変化に対する反応を示す「辛(かのと)」は、幹のエネルギーは花を咲かせ、結実の準備に入ります。いろんな矛盾や抑圧を排除して進化するために上に伸びる男性的エネルギーを発露させます。ここでの進化は闘争や犠牲を伴う改革を意味しているため今まで以上に深刻で切迫しています。だから、つらいしからいのです。 
生命・細胞のライフサイクルである誕生から老衰を示す丑(うし)は、赤ちゃんがお母さんのおなかから出てきて右手を伸ばした形を文字にしたもので、誕生・成長を表します。これらを踏まえて考えるならば、経済的には表面上は平穏にみえても一触即発で深刻な激変を迎える状態にあるともいえます。何が起きても不思議ではない最悪の想定をする段階と言えます。人とのつながりを一層強固にすることが一番の安心といえます。
政治がこの戦後75年のなかで最も活躍しなければならない時です。進化に向けて断乎実行しなければならない年でしょう。まずはコロナの撲滅が最優先です。経済はその次。そのためには本気でデジタル・マイナンバーとココアを義務化し、自粛ではなく法的に行動制限するぐらいは最低限必要だと思います。それでも経済はとまりません。

60年前の辛丑(かのとうし)の1961年(昭和36年)は、米ソ冷戦の真っただ中でJFKがアメリカ大統領に就任しました。ベトナム戦争への参戦、翌年の1962年にはソ連がキューバに核基地を建設するというキューバ危機、台湾の蒋介石が大陸反攻をアメリカに打診するなど、きな臭い冷戦時代でした。4国で支配していたドイツではベルリンの壁が建設され、鉄道が遮断されたため物資を空輸してしのぎました。たった60年前の出来事です。このような不穏な実力行使を暗示しているのが辛丑(かのとうし)です。

私たち経営者は、本物の情報を収集することに力を注ぎ、それをもっている異業種の本物の人たちと交流し、取引関係を見直し取組関係を構築する時だと考えます。今こそ、目先の業績や利益はもちろんですが、一段大きなテーマ、つまり社会のために、世界のために、地球のためにわが社は存在するという位置づけが必要です。