No.1398 ≪2026年を迎えるにあたり≫-2025.12.29

今年最後のメルマガをお届けします。
乙巳(2025年)の一年も後数日で2026年の丙午(ひのえうま)に引き継がれます。
安岡正篤師の「干支の活学」(プレジデント社刊)を参考に2026年丙午とはどんな運気なのか見てみましょう。
宇宙のエネルギー循環に順応できず、2022年~2024年に一掃すべきだった旧体制や陋習の力が強く、小出しやごまかしで乙巳(2025年)の後半まで数年ずれてしまいました。その間にエネルギーは圧力弁を吹き飛ばす寸前まで蓄積されて、分断と対立が強大化し普通のやり方では修復不能の一触即発の事態にまで高まってしまいました。アメリカにおいてはトランプ政権が、日本においては高市政権が誕生し、エネルギーの放出が多少は進みましたので最悪の危機は脱したように思えます。今年もエネルギーの安定に寄与したのはアスリートたちのさわやかな大活躍による世界的快挙のおかげです。ただ、未だに旧勢力や陋習の残滓がありますので、多少の時間はかかりますが、2026年は本来の宇宙エネルギーの循環に整合してゆくのではないかと思っています。

干支は易と同様に古代中国(現代中国ではありません)で生まれた、非常に科学的な天文学に依拠した統計学です。気の遠くなるような時間をかけて、時々刻々と変化する自然現象や社会現象を当てはめて、実証的に検証してゆく現在進行形の宇宙エネルギー循環システムです。物理学や化学や医学や生物学といった自然科学の微細な法則ではありませんが、統計学としては相当の確率で顕在化を予見できるシステムだと思います。

乙巳(いっし:2025年)に起きるべき大改革は後半にずれ込んでいますので、2026年の前半は2025年の延長ととらえる方が良いと思っています。従って、645年の大化の改新の如く、社会制度の大改革は2026年に起きると考えられます。大化の改新は、それまで各地の豪族が国家財産を私物化していましたが、国家のあるべき姿を示し、公地公民制、班田収授法、租調庸税制、国郡制度を定め中央集権化していった改革です。確立したのは56年後701年(辛丑)の大宝律令まで待たねばなりませんでした。それも743年(癸未)には形骸化するのですが。
ならば、現代の乙巳はどのような改革になるのか考えてみますと、常識的な国防意識(つまり予算の大幅増)、強い経済へのシフト(つまり国の投資拡大)、科学技術立国、日本文化への国家投資ではないかと思います。

次に、2026年の干支である丙午はどのような性質があるかを見てみましょう。
丙午(ひのえうま)は、乙巳で伸長した勢力がさらに伸びて盛んになり、表面的には繫栄して強く見えますが、反対勢力、抵抗勢力も依然として内側から突き上げてくるので、如何にうまく処するかによって、次の展開が大きく変わる年になります。時流の変わり目でとても重要な時に私たちは生きているのです。政治的には高市政権のかじ取りが非常に重要になり、「普通の国」の国防意識を持ちつつ、経済を活性化させるというバランスをどうとるかにかかっています。一回り前の丙午(1966年)はイザナギ景気真っ盛りでしたが、後半から次第に世相が暗くなってゆきます。隣国の中国では悪名高き「文化大革命」が始まっています。さらに一回り前の丙午(1906年)は日露戦争終結による戦勝機運が高慢に過ぎた世相を醸成し、後半には次第に暗い空気が漂い始めました。

「政治は経済に優先する」という鉄則は「経世済民」からきていますが、英語では経済のことをeconomyと言い、これはギリシャ語が語源で「国や家計の管理こそが統治の基本」という意味です。従って密接不可分の関係にあります。具体的には、経済格差が二極化している国内で、政局が流動化していることを考えれば納得できます。

物価高の根源を円安に求めたならば、今回の日銀の利上げでは効果がなかったと言えますので、せめて利下げ基調にあるFRBの政策金利との中間となる2.25%程度の思い切った利上げをするか、全企業を対象にインバウンドや特許料収入を含めた輸出を奨励し輸出立国になることで外貨を稼ぐしかないのではないかと思います。インバウンドも今までのように特定国に依存するのではなく世界中に門戸を開いてゆけば、オーバーツーリズム問題は解決できる可能性が高いです。さらに、AIが言語リテラシーを軽減していますし、外国語を話せる人材育成を国策として制度化すればまだまだインバウンドは魅力的です。何しろ、人口減少に対応できます。
前者の政策は、労働者の約70%が働く中小企業を切り捨てることになりますので、慎重に進めなければ政権が持たないでしょうから、後者の政策になろうかと思います。中小企業の多くは日本ブランドを持っていますが、苦手な販路開拓を国が率先して優遇対処すれば可能性は高いと思います。稼いだ外貨で韓国のように原子力潜水艦を購入すれば国防に大きく寄与できると思います。丁度、明治新政府が、日本の唯一の輸出品であった生糸をアメリカを中心に輸出し、稼いだ外貨で軍艦を買って世界第4位の海軍力と持ったのはつい100年前のことです。

さらに、問題は2027年(丁未)です。中国では「丙午丁未」という成語があるぐらい、内憂外患の年として警戒されています。文化大革命の嵐はその象徴と言えます。また、2027年は中国共産党の総書記(中国の統治者)が選ばれる年でもあります。そうすんなり行くとは思えませんので、一波乱あるのではないでしょうか。韓国でも「丁未禍」として警戒され、ベトナム戦争中に民間人虐殺事件が起きています。日本が2026年から2027年を乗り切るかどうかで未来が大きく変わると言えます。中小企業経営者と言えどもわが身に直結する重要な年ですので、それぞれの会社の持てる力を使って外貨を稼ぎませんか?