新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年2024年1月1日(月)元旦の16時10分に能登半島地震が発生しました。マグニチュード7.6 死者・行方不明者491名、負傷者1,379名、家屋被害149,724棟(内全壊家屋6,445棟)。さらに9月21日(土)には豪雨災害が発生し多くの被害を出しました。1年経った今も二重災害の爪痕が残り遅々として進まない復旧作業のなかで懸命に頑張っておられる方々に思いを寄せお見舞い申し上げます。亡くなった方々のご冥福と被害にあわれた方々の平安を心よりお祈りいたします。
年末最終のメルマガ「干支で見る2025年の展望」でも触れましたが、乙巳(いっし、きのとみ)の年は大変革の年です。視座が変わる年です。大変革の年は大チャンスの年です。歴史をしっかり学び、100年先の未来を見据えた構想をもって行動する時です。
今までの世界のとらえ方は、価値観では西側(民主主義陣営)と東側(社会主義陣営、いまは権威主義陣営とも呼ばれる)に分けてとらえ、経済格差では北側(先進国)と南側(途上国)に分けて分類していました。冷戦時代は東西問題といえばイデオロギーの対立、南北問題といえば経済格差の対立を意味していました。ところが今のVUCA時代においてはこの分類では本質が全く見えてきません。グローバルサウスという考えも出てきましたがそれでも腑に落ちません。
年末に目からうろこの本に出合いました。2024年12月25日発売の藤井厳喜氏著の「フォーキャスト2025」(WAC刊 1100円税込)です。私の解釈ですが下記に要約します。詳しくは著書をご覧ください。
世界を見るには横軸にナショナリストとグローバリスト、縦軸に資本主義(自由優先)と社会主義(統制優先)のマトリックスを作る。
横軸のグローバリストは市場さえあれば国家は不要であるばかりか邪魔であると考える。その権力の源泉はタックスヘイブンの存在、もっと言えば旧英帝国の超富裕層である。
一方、ナショナリストは国益重視で国家国民を守ろうとする。この両者は激しく対立する。
縦軸の資本主義は自由を絶対的な価値とし、中でも表現の自由を最重要視する。表現が統制又は検閲される世界では進歩が阻害されると考える。社会主義は自分たちの都合の良いように表現の自由を制限又は統制することで目的を果たそうとする。この縦軸と横軸のマトリックスから「無国籍企業的グローバリスト」「社会主義的グローバリスト」「民主的ナショナリスト」「独裁的ナショナリスト」の4つの勢力に分類できる。
「無国籍企業的グローバリスト」はGAFAMに代表される企業家や有名人、例えばバイデン大統領やマクロン大統領、岸田元首相等。
「社会主義的グローバリスト」は人種、性別、信仰等を問わずあらゆる平等を追求し、合法・不法問わず移民・難民の受け入れ、LGBTQの推進、中絶の自由、家族制度からの解放といった家庭や信仰の破壊を推し進める勢力です。代表的な有名人はカマラ・ハリス副大統領、オバマ元大統領。
グローバリストの背後はタックスヘイブン勢力なので両者は連携することがあっても対立することはない。
「民主的ナショナリスト」は言論の自由を尊重し、国民の大多数の利益、つまり伝統的常識的な価値観を重視する勢力。代表的な政治家はトランプ大統領、故安倍晋三首相。
「独裁的ナショナリスト」は文字通り独裁的な国家指導者のグループ。代表的な政治家はプーチン大統領、習近平主席、金正恩主席。最近はこのタイプが増えている。(要約終わり)
藤井氏の分類でみると、ナショナリストの両者は国益を重視する価値観を共有できるので条件次第では取引や交渉は可能になります。トランプ大統領が「私なら24時間以内にウクライナ戦争を終結させる」と発言する根拠はこのあたりかもしれませんね。また、故安倍晋三首相と仲が良かったのもうなづけます。
衰退したと言えどもアメリカのパワーは強大です。それをトランプ大統領はMAGAすると公約して当選しました。世界最高の購買力を持っているアメリカが最も強力な交渉カード「関税」をかけると明言しています。中国も日本もEUもアメリカにモノを売ろうとする営業マンと同じです。どのように交渉するか。プレゼン力の勝負が始まります。いかに顧客(アメリカ)が乗れるプレゼンができるか、各国のリーダーの手腕が試されます。随分棄損しているとはいえドル基軸通貨は強力です。おそらくさらに強くすべく1985年9月のプラザ合意、1987年2月のルーブル合意に続く第三のドル高是正の合意をちらつかせるのではないでしょうか。
私の初夢は、トランプ大統領と価値観を共有できる日本の首相を誕生させることができれば、日本のアイアンドーム構想(設備費10兆円、維持費1兆円/年もあれば可能ではないでしょうか)を手土産にトランプ大統領を国賓に迎えて靖国神社を参拝する外交実績を作り恒例化します。多くの課題が解決できる絶好のチャンスです。
アイアンドーム構想は様々なシンクタンクから提案発信されていますのでご存じ方も多いと思います。乙巳の年は中小企業経営も視座を変えないといけないタイミングだと思います。