毎日のトップニュースがコロナ禍からPP(President Putin)の顔写真や動画と共にウクライナ侵略報道に変わり、そのあまりの惨状をみると気が変になりそうで、先週はメルマガを休ませていただきました。
遠いヨーロッパで起きている対岸の火事ではなく日本の危機です。日本の最大の脅威は中国ですので、今ここで解決しないといけないと思います。
物心つくと両親から「うそつきは泥棒の始まり」だと諭されて育ちました。「嘘」をつくと道を踏み外すので、真っ赤な嘘はつきません。でも、人に迷惑をかけない程度の嘘は方便とも愛嬌ともいいながらついているものです。朝寝坊して遅刻した時も、それらしい言い訳や作り話でごまかしたり、面白おかしく話を膨らませたりしたこともあります。それを聞いた人も「ごまかしているな。話を盛ってるな」と分かっていてもあえて目くじらを立てて指摘することはありません。「あの人はそういう人なんだ」と寛容に許容しています。「清濁併せ呑む」世界は対立のない平和な世界ともいえます。
とはいえ、「四知」の説話のように、「たとえ天地や人をだませても嘘をついている私は知っている」のだから嘘をついている自覚があります。だから良心の呵責が出てきます。自分の行動を反省して改めることにより、言い訳しなくてよいように早めに準備しようと心がけ、人として成長してゆきます。だから話し合ったり譲り合ったりする余地が生まれ調和が保たれると思っています。しかし、もし、嘘をついている自覚がなく、正義だと信じて疑わない人であればどうなるでしょうか?
隣人の乱暴者の友人A君があなたに「この家は本当は私の家だ。出て行ってくれ」といってきたとします。あなたは「君は頭がおかしいのか。ここは私の家だ。へんな言いがかりをつけないでくれ」と当然のごとく反論するでしょう。
しかし、信じ切っているA君は「君の方こそ頭がおかしいぞ。忘れたのか? 以前私がここに住んでいて、弟が困っていたから譲ったことを知っているだろう。弟は君にだまされて追い出されたと言ってきた。だから君は出て行ってくれ」と言います。「何を言っているんだ。僕は正式に不動産会社から買ったんだ。変な言いがかりをつけないでくれ」と権利証を見せるでしょう。
「それは知らない。私のものだからとにかく出て行ってくれ。ここを使って次の予定をしているんだ。」といって強引にブルドーザを乗り入れてあっという間に不法占拠すればどうなるでしょうか。警察を呼んでも民事不介入でかかわってくれない。裁判にしても民事事件は時間がかかりすぎる。体を張って食い止めるか、諦めてローンだけ払い続けるか。
今のラブロフ外相もネベンジャ国連大使も平然と「ロシアはウクライナを侵略も攻撃もしていない。ロシアの安全が脅威にさらされているので困っている」「最も安全で有効なルートで(ロシアに通じる)人道回廊を毎日開設しているのにウクライナは市民を人間の盾に使って邪魔している」と言い放っています。彼らはミルグラム実験でも証明されていますが多くのユダヤ人をガス室に送ったアイヒマンになっているかもしれません。
すべての情報が極秘裏に統制されていた20世紀末の冷戦時代ならいざしらず、今は地球の隅々までネットが普及しあらゆる情報が瞬時に真偽交々に世界中に拡散される21世紀です。理屈はどうあれ、映像に移るウクライナの都市がロシア軍に攻撃され、建物やインフラが破壊され焼け野原になり、市民、なかでも子供や老人、女性が亡くなったり傷ついたり被害にあい、設備の整っていない地下シェルターでの出産を余儀なくされている多くの妊婦の姿は現実であり、280万人以上の人々が国外に避難しているのも現実であり真実です。
21世紀に住む普通の人間であればこれを実行できないし、容認もできません。それを「嘘」だと明言できる人はいないでしょう。世界中の人々がこれを見てショックを受け、行動を起こさねば、ウクライナを助けねばと焦っています。
このような時に最も機能すべく設立された国連は全く機能せず、常任理事国の当事者が起こした戦争犯罪には全くの無力であることを世界中に見せつけました。いままで「今そこにある危機」と認識し、国連改革が叫ばれてきましたが、こと力の行使、中でも武力行使に対しては国連があるがゆえに悪化する逆効果であることが証明されてしまいました。国際連盟では第二次世界大戦を防げなかった反省のもとに、戦時中の1945年4月から現在の常任理事国(戦勝国の中心国)が自分たちの都合の良い戦後経営の仕組みをデザインし10月に設立したのが国連です。その目的は「国際の平和と安全を維持する」「国家間の友好関係を育てる」「国際問題の解決と人権尊重の促進に協力する」「各国の行動を調和させる」の4つです。
具体的な解決策が常任理事国(米英仏露中)の全会一致で発動される仕組みは常任理事国が今回のような戦争当事者になってしまうと、落としどころはなくなってしまいます。何という皮肉でしょうか。
結果的に常任理事国のどこかの国に睨まれ武力攻撃や侵略された国は世にいう「国際社会」からの具体的な支援を受けられずに見殺しにされてしまいます。
これだけのロシア側の嘘、彼らからすれば正義が、公然と報道されていても、「第三次世界大戦にしない」とアメリカのバイデン大統領が強く主張しているので、それ以外の方法での解決策となると、それほど多くの方法はないように思います。
ロシア国内の反戦世論で支持率が下落しクーデターが起きたり、ウクライナ政権の亡命誘導したりすることぐらいではないでしょうか?21世紀の現代では経済制裁、金融制裁は非力で限界があり、実際に困るのは被制裁国よりも制裁している国の国民です。
日本にとって大事なことは、ロシアの暴挙を静観しながら学習している中国が、どのような行動をとるかが本当の危機だと思います。国際社会がどのような反応をするか分析し、そのための対策を先手先手で着実に打つことでいかなる制裁にも対処できるようにしてゆくでしょう。それは南沙諸島や尖閣諸島で実験済みです。中国は共産党の下に国家があるので、中国の人民軍は共産党の私軍という特異な存在です。一帯一路やデジタル人民元や宇宙空間支配やIT先端技術の所有等様々な手を打っているのに対して日本はどこまで対抗できるかを真剣に考えないといけない時期に来ていると思います。
確実に私たち中小企業の経営に跳ね返ってきますので、できることは何なのか、どう行動すればよいのか、せめてウクライナや難民受け入れ国へ寄付したり、連帯の声をあげたり、できることからやってゆきたいと思います。