No.1144≪新年もやっぱり「ヒト」で決まる≫-2021.1.6

新年あけましておめでとうございます。
人類史上では何度目かの感染症パンデミックですが、今を生きる私たちにとっては初めて経験する「withコロナ」の新年で、人類が一次元高いステージに立つ記念すべき年でもあります。中国の四書五経にある易教は「天行健なり」と喝破しています。天(宇宙)はいつも健やかだ。良くなることしか起きないという意味です。これを信じて今年一年をポジティブに明るく生き抜きたいと思います。

2021年は今まで以上に「ヒト」とのかかわりが重要です。AI、ICT、IOT、RPA、AR&VR・・・飛躍的に進化したITツールはまだまだ発展し、現実から仮想に進化し、WEBコミュニケーションもホログラムが当たり前になるのも時間の問題です。従来の労働観は変容し、価値創造のプロセスも変化します。非接触によるキャッシュレス化が進み貨幣の本質が問い直されることにより資本主義のあり方も変化する可能性が高いと思います。
本能的に人はツール(手段)の奴隷化を忌避しています。ツール(手段)の主人たらんとしています。当然、「幸せ」のあり方も変化するでしょう。これがwithコロナで明確になってきました。一極集中の東京からの脱出が徐々に増えているのがそれを象徴しています。
このような時代に最も重要なことは「本質を見る目」を養うことです。それは「ヒト」にあります。真の情報は「ヒト」が持っています。「ヒト」との関係性が将来を決めてゆきます。
そこで、新年にあたり、「ヒト」にまつわる名言を337号(2005年1月5日付)より採録・加筆しました。
少し長文ですので好きなところで読み止めてください。

『財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり、されど、財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し』(後藤新平 辞世句)
良く耳にする言葉ですが、ヒト・モノ・カネの関係と優先順位を実に簡単明瞭に本質をついた表現です。
ヒトを作るのは仕事であり、仕事の成果は利益です。いかなる環境になろうとも、事業を創造し、成長・発展させるのは人です。人が意欲を持って仕事に取り組んだとき、その人が持っている以上の力を発揮します。社員の力を存分に発揮できるように、会社は舞台を整備し、資金を準備し、約束の期限まで忍耐強く待たねばなりません。最初から完全を求めるのではなく、成長の方向に進んでいれば、たとえ不完全でもOKなのです。
どのような組織でも「2:6:2」の黄金律が支配しています。会社を発展させるヒトが2割、会社の足を引っ張るヒトが2割、強い勢力につく日和見が6割です。高い志をもって、意欲的に会社をひっぱって行く人材が2割以上になるとその組織は活性化し成長してゆきます。30人の組織であれば6人以上、100人の組織であれば20人以上が育てるべき人材です。良い人材を育成しましょう。そのためのヒントとも言うべき先人の智恵を集めてみました。

『人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇(あだ)は敵なり』(武田信玄)

『やってみせ、言ってきかせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ』(山本五十六) 
ヒト育てには手間ヒマがかかる。これを節約すると節約した数十倍の手間ヒマがかかる。

『ある人に魚を一匹与えれば、その人は一日食える。魚の取り方を教えれば、その人は一生を通して食える』(中国のことわざ) 
本当に必要なのは社員が一生涯、生活に困らないような方法を体得させることです。

『私はものを考えるときに、世界にひとつしかない、世界で初めてというものを作るのが、私の哲学です。それはどうしてかというと、競合がない、競争がないからです』(横井軍平:任天堂ゲームボーイ開発者) 
市場がないなら、市場を作ればよいだけの話です。

『人によって価値観が違うからこそ交流が意味を持つのであり、どちらかがどちらかの価値観に合わせてしまっては真の交流は生まれない』(新渡戸稲造) 
相互に認め合うことがすべての基本。

『なにごとも最初は難しく、やがてやさしくなる』(トーマス・フュラー牧師) 
少々の難題にぶつかってもあきらめないで続ければ、壁は越えられる。後は楽しくなる。

『思案ばかりしている者は、成すことが少ない』(フリードリッヒ・フォン・シラー:ドイツ 劇作家、詩人) 
走りながら考えればよいのです。

『落伍者は2つのクラスに分けられる。考えるだけで実行しなかった人たちと、実行したが、何も考えなかった人たちである』(ジョン・チャールズ・サラク)

『人は何度も失敗することがあろう。しかしそれを他人のせいにしはじめるまでは、落伍者ではない』(ジョン・バーラウズ) 
原因自分論がすべての判断基準です

『教育とは流水に文字を書くような儚い業である。だがそれを岩壁に刻むような真剣さで取り組まねばならぬ』(森信三) 
人育ては真剣勝負。

『自分の仕事に熱が入らないとすれば、警戒すべきだ。新しい行動、新しい野心、新しい努力、新しいビジョンで、やる気を育まなければならない』(パピルス紙の古文書)
数千年前から人類の悩みは変わらないようです。

『教育にはお金がかかり過ぎると思うのなら、ためしに無知になってみては』(デレック・ボック:ハーバード大学 学長)
交際費を削減しても企業は成長するが、教育費を削減するといずれ企業は消滅する。

『問題の一部となるのではなく,解決策の一部となれ』(ブエル・ギャラガー) 
他人事のように問題を見るのではなく当事者として問題に取り組むことが価値ある行いなのです。

『行いに対する最大の報いは、さらなる行いの機会が与えられることだと思う』(ジョナス・ソーク:ポリオ・ワクチン発見者) 
仕事の報酬は新たな仕事である

『学ぶには年を取りすぎている人は、おそらく常にそうだったのだろう』(ヘンリー・ハースキンズ:米国経済学者) 
思い立った日が吉日なのです

『ある人のゴミは、別の人の宝』(ことわざ)
捨てる神あれば拾う神あり。一面的な発想は危険

『敵を作りたいと思うなら、何かを変えようとしてみなさい』(ウッドロー・ウィルソン大統領)
保守反動は世界共通です。だからこそ、成長のためには変化が必要なのです

『よい仕事をしてもらいたければ、忙しい人に頼め。他の人たちは時間がないから』(エルバート・ハバード:作家)
時間のある人ほど、見事なほど、無駄な考え、無駄な行動が多く、極めて効率が悪い。

『私は不得手なことは一切やらず、得意なことだけやるようにしている』(本田宗一郎)
短所は無視して、長所のみ見る。簡単なようで大変難しいが本質を突いています。