最近はVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の概念では表現できなくて、BANI(脆く:Brittle、不安で:Anxious、非線形:Non-linear、理解不能:Incomprehensible)が加わりました。いっそのことカオス(Chaos)と一言で言った方がわかりやすいように思いますが、皆さんはどう思われますか? いつ何時足元の地面が透明ガラスに変化し、次は脆く崩れさるかわかりません。せめて強化プラスチックであることを祈ります。
さて、今日はAIを取り上げます。猫も杓子もAI、右を見ても左を見てもAIで、AIを使っていない人は人にあらず、20代未満のスマホ世代は必須アイテムの時代です。WEB検索にも、コンビニやスーパーのレジにも、クレジットカードにも、防犯カメラにも、ドライブレコーダーにも、株式投資にも、入国管理事務所にも、会社の会計システムにも、テレビや映画のナレーションや画像にも、あらゆる場面でデータが蓄積されるところにはAIが潜んでいます。勿論、私もAIのお世話になっています。
AIにまつわる投資の世界では恐ろしい数字が跋扈しています。いつも参考にさせていただいている「宮崎正弘事務所mag2」で、宮崎正弘氏は「バブルは必ず崩壊する」と断言されています。その背景は次のように説明されています。AIで優位に立つために各社がデータセンター建設(発電所含む)を急ピッチで進めている。OpenAIは、マイクロソフトの出資額では足りずに、オラクルとNVIDIAに各1000億$(約16兆円)の出資を仰いだ。会社の評価額は5000億$(約80兆円)と高いが、向こう4年間で1000億$以上必要だとか。マイクロソフトでさえWindowsとOfficeで1000億$未満の収益しか上がっていないのに、OpenAIのChatGPTはユーザー8億人の内、有料ユーザーは5%で、収益は43億$、利益は△78億$だとか。さらに、AI市場にはGAFAMだけでなく中国勢のDeepSeek、Moonshot、Alibaba、Bytedanceが参入し熾烈な開発合戦と顧客争奪競争が繰り広げられている。今のインフラでは通信量が不足するのでMETAは海底ケーブルを敷設するとか。
私は月額20$のサブスクChatGPTを使っていますが、OpenAIが黒字化するには最低1億人以上のユーザーと料金を倍にしないと採算が合わないし、さらに桁違いの投資が加わるのですから、ビジネスモデルとして成り立たないのは明らかです。
Amazonが創業後4年間は赤字を出し続けていましたが、株価は60倍に高騰しました。大赤字を出した2000年は最高値を付けていますので、期待値が高ければ株価は高騰するのを目撃しています。今では約300億$(4.5兆円)の純利益を出しています。時価総額では約1.8兆$で、単純計算で3400倍とか。Amazonで儲けた経験がある人は無制限にAIにつぎ込むのかもしれません。しかし、AmazonとAIは様相がだいぶ違いますので、先ほどの宮崎正弘氏の「AIバブルは崩壊する」ことになると思います。
今まで、私たちは様々なデジタルバブルを目撃してきました。ゴア副大統領のスーパーハイウェイ構想から始まったドットコムバブルは約5年で崩壊し、WEB2.0については今ではだれも口にしなくなり、スマホとクラウド、AIという流れに進化してゆきました。バブル崩壊は実体経済にダメージを与えますから、もし、AIバブルが崩壊すれば、それなりに影響は大きいと思います。リーマン・ブラザーズの被害が全世界で10兆$と言われていますので、そこまでは大きくはないかもしれませんが、相当の衝撃は覚悟しないといけないかもしれません。
しかし、テクノロジーという観点で見ると、シンプルで便利な技術は需要が確実に高まるので進化します。AIはまだまだ高度に光速進化し続けるでしょう。ヒューマノイド等のフィジカル系、自動運転、宇宙開発、量子コンピュータと結びついて新たな技術が登場するかもしれません。
本日(2026/1/21)の日経新聞1面に大学共通テストを各社のAIで回答させた結果が出ていましたが、受験生の平均点が58.1点に対してOpenAIは96.9点、グーグルは91.4点、アンソロビックは91点で受験生と比較すると圧倒的な高得点でした。中でも、OpenAIでは数学IA、数学ⅡBC、化学が100点でしたが、国語は90点と低く、AIでも明確な答えがある場合とそうでない場合では結果が大きく異なるという点がとても興味深かったです。やはり、AIを使いこなすには、思いや考えを文字で表現する国語力を日ごろから身に着けることが必須だということです。AI関連の投資バブルは崩壊しますが、技術は進歩し続けますので、「国語力」「言葉」の重要性を再確認しましょう。
