11月5日~7日の連休明けに黄泉がえりの地「熊野霊山」を学生時代の仲間と共に杖を片手にひたすら熊野古道を歩いて旅してきました。古道を行き交う人は日本文化をリスペクトする欧米人や台湾人でした。高齢化した日本人は本殿近くの駐車場まで車で来られていました。熊野は山川幽谷 樹木鬱蒼、巨岩無数、そこに神秘性を発見し、心休まる場所、死霊がこもり蘇る場所として熊野と名付けたと紀伊続風土記はいう。熊野の民衆が聖地と崇めたので開祖のいない稀有な聖地となり、白河上皇の熊野御幸をきっかけに、熊野参詣は疑似死、つまり生まれ変わり地となりました。
さて、アメリカ大統領選挙は予想通りトランプ候補が黄泉がえり圧勝しました。どちらも敗北を認めず暴動の危険性を感じていましたがあっさりと敗北を認めたバイデン・ハリス陣営には少し驚きました。議会の上下院とも共和党となるとトリプルレッドになると一気に様々なことが決定され実行に移されると思います。世界中がこれからの激変に身構えているのではないでしょうか? しかし、ものは考えようでCHANGEをリスクではなく次のCHANCEととらえ蘇るに生かしましょう。
宮崎正弘事務所mag2の8494号によると「ニクソン財団の公式Xで35年以上前にトランプ氏のテレビ番組を見て感銘したニクソン大統領夫人の言葉を聞いてニクソン大統領が「大統領選に出馬すれば勝利するだろう」と若き日のトランプ氏に手紙を送ったそうです」
社会構造が大きく変化する「70年サイクル説」があります。約70年で組織は成長し発展しながら肥大化しこれまでの成長を支えてきた様々な制度やシステムが疲労を起こし、崩壊することでしかリセットできなくなる状態を表していると言えます。
日本は明治維新(1867年)から78年で大東亜戦争敗北しリセットし、今は次のリセット期にあります。
アメリカは1776年の建国宣言から85年に始まった南北戦争でリセットし、68年後の大恐慌でリセットし、72年後の9.11でリセットしました。中国は1949年の建国宣言から64年後に習近平体制確立でリセットし、2049年の100年マラソン疾走中です。ロシアは1917年のソ連誕生から74年後にソ連解散宣言でリセットしました。インドは1947年に独立し、今ではBRICS、グローバルサウスの有力国になることでリセットし、中国を抜いて次の覇権国に向けて邁進中です。
会社でいえば、創業70年は2代目又は3代目への継承時期に当たります。日経ビジネスが「企業の寿命30年」を発表したのは1983年ですが、今では企業の寿命は約25年未満と短くなっています。会社はナイナイ尽くしの初代創業期を経て、成長とともに組織が充実し発展することで官僚化してゆきます。官僚化とともに岩盤抵抗層が構成され変革がむつかしくなる時期が70年前後です。黄泉がえりが必要になります。その後のリセット期を無事に乗り越えて100年を迎えることができれば次の安定期に入ります。
これからは今まで以上に魅力的な会社にならねば若い人が門戸を叩いてくれません。実権を持った経営者の年齢と投資意欲は反比例する、また社員の平均年齢の高齢化は企業寿命と反比例する可能性が高いことがわかっています。帝国データバンク(2024年4月26日付)によると「日本の社長の平均年齢は60.5歳で33年間連続上昇中。また約25%は70代以上で拡大中」で高齢化が着実に進んでいます。後継者問題を解決しなければ、これからやってくる「複雑系カオス経済」を乗り切り、生き残ることはできません。アメリカのトランプ大統領は史上最高齢の大統領ですが「若さ」を追求すると思います。同様に会社の中に「若さ」を取り戻す。これが何よりも重要な経営者の仕事です。「若さ」は年齢だけでなく、心も持ちようも含めた柔軟さが必要です。サミュエル・ウルマンの「青春」のごとく、「若さ」を手に入れましょう。
経営者がこんなつぶやきをされたら早めに身の振り方を考えた方が良いですね。
「会社の業績は、景気が良ければあがるものだ。今は景気が悪いので我慢するしかない」
「景気の良い業界にいる会社は業績も良いが、うちのような構造不況業種だとなかなか厳しい」
「社員の出来が悪いので業績が伸びない。もっと有能な社員がおればもっと成長できるんだがなあ」
「昔はよかった。あのころは苦労も多かったが儲かった。今は、時代が悪すぎる」
「若いころは有能な社員だったが、最近はことあるごとに意見が食い違い、逆らうのでやめてもらった」
「本業さえ、まともにできないのに、新規事業なんて無理だ。第一、うちには、そんな有能な社員がいない」
「取引先から、納期短縮とコストダウンを要求されている。これでは、死ねと言っているのと同じだ」
「始業直前の駆け込み出勤が多くて困る。私が出勤した時には、掃除も終わって、すぐに朝礼ができるようにしてもらいたいのだが、人使いは難しいね」
ほかにもいっぱいモチベーションを下げる言葉が耳に入ってくるかもしれませんね。
どれか一つでも耳にしたなら、早めに次の道を模索した方が賢明です。取引先ならば、気づかれないように回収を始めた方が良いですし、社員ならば、起業か転職を考えた方が良いですね。
これらはすべて老化現象で、没落企業、衰退企業の経営者に共通するつぶやきです。今は良くても早晩業績が悪化し衰退しながら消滅してゆきます。危機に瀕して経営者が心機一転、人が変わったようになりふり構わずコップの中の水を一滴残らず捨てきるように、今までのすべてを捨てて行動すれば大飛躍が期待できますが、ぬるま湯で原因他人論の「ゆでガエル」経営者だと、シナリオ通りになってしまいます。
さすがに最近は、少し儲かったからと言って、高級車を乗り回したり、高級ブランド品で身を固めたり、高級クラブに入り浸ったり、色欲に走ったりする前近代的な経営者はおられません。外面は近代化され、賢明な経営者がほとんどです。しかし、問題は内面です。すなわち、経営者にとって、もっとも重要な「ものの見方、考え方」は、「業績が悪いのも、人が育たないのも、景気が悪いのも、天気が悪いのもすべて私(経営者)が悪いからだ。私が変わらねば何も変わらない」という原因自分論の考え方が重要です。
人のせいにする余裕のある間は、まだまだ苦労でも逆境でもありません。すべての責任を請け負っているのが経営者です。そう覚悟すれば、おのずと、道は開け、何をすればよいかが見えてきます。
経営者は、内面を磨きましょう。人間性を高めましょう。苦境はあなたにとって「必然で必要でベスト」なのです。一瞬遅すぎもせず早すぎもせず訪れます。その時は喜べる自分を作っておきましょう。
具体的には次の実践をお勧めします。
1.遅くとも6時には出社して、瞑想時間にあてる。
2.人の異見を聞く。特に耳障りな意見が増えるように努める。
3.配偶者(妻、又は夫)に不平・不満を露ほども思わない。
4.昔話、成功談をしない、自分を美化しない。卑下もしない。
5.いかなるウソ・ゴマカシもしない。
6.できない理由を言いたくなったら、トイレに走って、できる理由を見つける。
7.財布の中のお金はしわを伸ばして、向きをそろえて、金額順に並べて、硬貨は磨く。
8.折々に先祖の墓参りをする。
9.いつも、腰骨を立て、背筋を伸ばした姿勢をとる。