先日ご報告しましたが、9月26日(火)10:00~10月1日(日)18:00まで那覇市おもろまちの沖縄県立博物館美術館「おきみゅう」で5人展を開催しております。近くまでお越しの折はお立ち寄りくださいませ。
2023年9月7日の日経新聞の「米国の合併審査は変わるか」という見出しをご覧になった方も多いと思います。まだ案の段階ですが、レーガン大統領がレーガノミクスで「合併規制を緩和するので強い企業はM&Aを繰り返しどんどん強くなり経済を活性化せよ」と規制緩和しましたが、これを否定しています。従来の合併政策で巨大化が進んだ業界は、デジタル通信業界、メディア業界、製薬業界、エネルギー業界、消費財業界で、GAFAMはその代表選手と言えます。過小規制のレーガンノミクスから過剰規制のバイデノミクスへ転換するとどのような結果になるか注目しておきたいと思います。
レーガノミクスの影響を受けているのが、「お金」に関することです。財布の中に入っている紙幣が落としてもわからない「デジタル・データ」に変わって久しいです。いわゆるキャッシュレス経済です。
これはいつからだろうと調べました。銀行間のオンライン決済や企業とのネットバンキングは70年近くの歴史があり古典的な取引ですが、個人が普通にキャッシュレスにシフトしたのは、2007年のiPhoneの発売以降ではないかと思います。まだ15年程度の歴史です。日本ではソフトバンクが「スマホ」という言葉を使って2008年にiPhoneを販売してからですから14年です。iPhone開発までの間に様々な関連技術が日の目を見ていました。ハード面では1993年にシャープのザウルス、1994年にIBMのSIMONがあります。電子マネー技術では2000年にソニーがFelica(後のEDY)、情報圧縮技術では1994年にデンソーが2次元QRコードを発明していました。スマホはパソコンと携帯電話が持ち運べるので、無数のアプリが開発され続けています。ホームページもスマホ対応が常識で非対応のホームページしかない企業はどんどん排除されてゆきました。
ちなみに、今のスマホの累計出荷台数は約85億台です。人口が80億人ですから、一人1台以上持っている計算です。しかも毎年約13億台が出荷されています。
さらに、常時携帯するスマホ特典としてポイントとクーポンがあります。クーポンで買ってポイント、払ってポイント、クーポンも使ってうまく利用すれば還元率はゆうに20%以上になるとか。1000円の商品を実質800円で買えるのです。このようなキャッシュレス経済圏が日々増殖しているのです。
これらがフルに活用されている現場がコンビニです。日本のコンビニは世界に冠たるシステムで、世界中でのどから手が出るぐらい欲しい技術だと言えます。コンビニでの収納代行は2014年の金融庁の調査で9億件、9兆円だそうです。今はその数倍の規模ではないかと思います。
ちなみに、日本のキャッシュレス経済はどの程度あるかを2023年4月に経済産業省が調査した結果を発表しました。なんと、111兆円。決裁全体の36%に相当します。そのうち大半はクレジットカード(94兆円、30.4%)ですが、デビットカードが3.2兆円、1.0%、電子マネーが6.1兆円、2.0%です。この比率は飛躍的に増大すると思われます。
一方、正確なデータとは言えませんがIDCが参考になる世界中のデータ通過量の推移を発表しています。2010年に1兆ギガバイト、2020年には59兆ギガバイト、10年で約60倍、2025年には175兆ギガバイトと予測されていますので15年で175倍になるという予測です。1ギガバイトは新聞で言えば約5年分相当の情報量ですから、175兆ギガバイトというと・・・計算がいやになりますね。それがさらに幾何級数的に増大するのですから、量子コンピュータとAIがなければやってゆけない時代がすぐそこまでやってきているということです。
たった25年の四半世紀で人類が成し遂げた科学的進化は、どんどんと禁断の神の領域に入ってゆかざるを得ないでしょう。科学的に進化すればするほど、微に入り細に入りわかればわかるほどわからなくなる世界をどう進んでゆくか、人智を超えた神の領域にはまた別の世界が広がっていることでしょう。恐らく、顕界にいる人間界から見れば、これは進歩か退歩かわからない世界が待っていると想像します。いくら科学技術が進んでも、人類はいまだかって生命を創造することはできていません。
さて、話を戻しますと、目まぐるしく変化する取り巻く環境に対応するにはおのずと限界があります。
わが社はどのような会社を目指すのか、迷ったときに判断基準となるぶれることのない「北極星」を持たねばならないと確信しています。はるか天上に輝く北極星を持つことによって、「今」をどう生きるか、どう決断するかが見えてきます。厳密に言えば北極星も移動しますがほとんど動かない星で、今はこぐま座のポラリスを北極星と呼んでいます。2000年後の西暦4000年にはエライという星を北極星と呼ぶことになっています。
私の提案する北極星は「先義後利」と「三方よし」です。人類の進化向上に貢献する会社、社会を良くする会社、社員を幸せにする会社こそが「北極星」だと思っています。