No.1124 ≪易でみる「日本はコロナ後も豊かで便利な社会を目指すべきか?」≫-2020.7.30

世の中はコロナ禍一色の上、九州地区の大災害で、日本は一体どうなるだろうと不安な日々を過ごしていた7 月11 日に、コロナ禍と社会のあり方を易で占ってみました。

占った問いは「日本はコロナ後も豊かで便利な社会を目指すべきか?」です。
その結果「沢天 夬(かい)」と出ました。大所高所からみたり相手の立場からみるとどうなるかを表す綜卦は「天風姤(こう)」、裏に隠されている本質を示す錯卦は「山地剥(はく)」、隠されている情報や伏在するリスクを示す互卦は「乾為天」、改革するとどうなるかを示す変卦は「雷天大壮(たいそう)」となりました。

ご存じのように、易は占いではなく科学であり、能動的に変化する対応する指針を示すものです。古典の四書五経の一つ「易経」がそれです。天下国家の道筋やリーダーの行動指針を助けるものです。
原文はちんぷんかんぷんですし、現代語訳も様々な解釈があり、一概には言えませんが、森羅万象を64パターンに分けて、それぞれを6つの爻(こう)にエネルギーを表す陽と陰をあてて意味を持たせています。

占いではなく科学だというのは、6 つの爻のどれかの陽と陰を入れ替えれば、まったく違う意味を持ってきます。占いというより、いかに乗り越えるかを見る時に易はとても有効です。

本題に戻ります。「沢天 夬(かい)」が意味するものは、「まず自らの非を改めて、足元を固めてから進め。こうすれば豊かで便利になるからと言って、無理やり強制してもうまくゆかない」ようです。

コロナ後は人々の価値観が変化し、従来のあり方に疑問を持ち、本当の豊かさとは何かを追求する人々が増えるのかもしれません。
そして、それどれの爻の意味を意訳すると次のようになります。

「戦略を提示しても、タイミングが悪く、時期尚早で、力も弱い。軽挙は失敗で、うまくゆかない。よく戦略を練り直して、最悪の状況を想定し、警戒する必要がある。いかなる不慮の事態が発生しても心配ないだけの準備をしっかりとして、何らかの外的勢力による攻撃があってもそれを防御する力を充実しなければならない。
必要な場合は、敵中の懐に飛び込んで意表を突くぐらいでないと。その結果仲間や国民から叱られてもそれぐらいの勇気が必要だ。
しかる後に、いくら正義だからと言って孤軍奮闘してもうまくゆかないので、共鳴する仲間や同盟国を共に行動する段階に入る必要がある。
多くの人は従来の価値観から抜け出せなかったり、ついてゆけない。こうなると年貢の収めどころになる。
コロナ以前と同じような豊かさや便利さを追求するのはよくよく考えよ。」

ならばどうするか。
大所高所からみた、天からみた場合は綜卦となり「天風姤(こう)」になります。大意は次の通りです。
「皆から尊敬される中正の徳を持った社会を目指せ。立派なビジョンや信念をもって自制することで結果的に物事がうまくはかどる。角と角を戦わせるような社会は天の望むところではない。互いに消耗戦に入り、後年、にっちもさっちもゆかなくなる。」

また、裏に隠されている本質を示す錯卦は「山地剥(はく)」です。
「コロナ後に従来同様の豊かで便利な社会を目指すと、土台である文化や価値観、長い間の変わらぬ信条・憲法が時代の変動に伴ってガタガタに揺れてしまう。今一度、社会のあり方や本当の豊かさを皆で話し合って、土台をしっかりと固めて、周囲の評価はどうあれ、表面的な華美を追わず、しっかりと潜行して力を蓄えてゆけばよい。そして、しかる後に、一挙に次のステージに行けばこれほど良いことはない。」

さらに、隠されている情報や伏在するリスクを示す互卦は易の中で最強の「乾為天」を示しています。意訳すると次のようになります。
「コロナ後、従来の豊かさや便利さを求めることは、あまりにも進みすぎた便利さは見えないテクノロジーに依存しており、きわめて危険だ。いわゆる「潜龍」である。用いてはならない。社会的に表立って活動してはならない。あくまでも大義のある準備や努力は必要だが、それはひそかに深く内面的に行うべきだ。一喜一憂し、確固たる信念を持った価値観を創造せよ。一人一人が自らを磨くことが大事だ。言葉を慎み、善なる行動をし、邪悪を退け、大いに学ぶ。毎夜毎夜反省し、常に謙虚に、翌日の向上に備えれば、「見龍」となって地上に現れ、大いなる仕事をすることができる。くれぐれも徳を積む社会を作るべし」

あくまでも私が易でみた意味ですので、その通りになるかどうかわかりません。しかし、コロナ終息後も今まで通りの社会であったならば、もっと大きな苦境を迎えることがわかりました。本当の豊かさ、本当の便利さとは何か。その奥には本当の安心とは何かということが隠されています。このニーズをどのように形にしてゆくかが私たちの氏名かなと思っています。