No.1114 ≪コロナでチャンスがいっぱい≫-2020.5.21

この世で起きる森羅万象にはすべて意味があることは、皆さんご存じだと思います。文豪坪内逍遥も「宇宙間の森羅万象一つとしておのづから法度を有せざるはなし」と喝破しています。今回の新型コロナウイルスの蔓延も何らかの摂理をもっているといえます。宿主である人間の側からみれば「憎くき疫病神」ですが、ウイルスの側からみれば「千載一遇の飛躍のチャンス」なのかもしれません。人類はコロナ禍によってさらに進化することは間違いありません。

不特定多数が利用するビジネスは従来の価値観のままでは青息吐息となり、これを新たな価値観に創造することで大きなチャンスを手にします。
例えば、世界中の航空&ホテルビジネス、旅行&レジャービジネス、エンターテイメントビジネス、飲食&遊興ビジネス及びその関連ビジネスは青息吐息です。すでに破綻する企業も出ています。コロナ終息の最善策は「人の動きを止めること」なので国家ぐるみで「Stay Home」を強要しているのですから、やむをえません。一方、「Stay Home」による消費は急増しています。副業あっせんビジネス、宅配ビジネス、通販ビジネス、出前&ネットスーパービジネス、代行ビジネス等は需要が急騰して人手不足と過労で青息吐息です。働き方改革どころではありません。

感染防止の切り口でみると、「消毒液」と「マスク」「防護服」等の感染防止資材が圧倒的な品不足です。そのほとんどを中国に依存していた関係上、数年前の過剰在庫が一瞬で高値販売できて、市場は蒸発状態となりました。その結果、医療業界は資材不足で自らの感染リスクが高まり青息吐息となりました。消毒液やマスク、フェイスシールドを手作りすることと治療することが同じくらい重要な仕事になりました。市民もわが身を守る感染防止資材を探してコンビニ、ドラッグストア、スーパーに入荷確認のために日参する人が増えました。今では、あらゆる場所でマスクが投げ売りされていますが。一方で、消毒液不足に対して、お役に立ちたい一心で、本業を中止して消毒液を生産販売した企業があります。
高知県の「菊水酒造」と富山県の「若鶴酒造」と茨城県の「明利酒類」です。飲まない酒を売り出したのです。
菊水酒造は「アルコール77」、若鶴酒造は「砺波野スピリッツ77」、「明利酒類」は「メイリの65%」を消毒用の高濃度エタノールとして発売したのです。その後、次々と酒造メーカーが消毒液を生産するようになりました。それでも急激に増大した需要に追いついておらず、いまだに消毒液及び消毒関連商品は品薄状態です。

感染防止策として注目されているのが、不特定多数が利用する部位の「非接触」です。
トイレは今では洗剤も水も非接触で使用できます。これは、1996年にO-157の大流行を機に、手で回すハンドルから足踏み式に切り替わりました。そして、今の非接触型に進化したのです。ドアノブも危険な部位です。自動ドアが普及しているとはいえ、自動ドアの設置スペースの有無やデザイン面で、まだまだノブ式が多いものです。これの非接触対応が急速に進むと思われます。

エレベーターのボタン、ムービングウォークの手すり、階段の手すり、電車やバスのつり革等、不特定多数が利用し、安全対策上必要不可欠な部位の非接触化が今後の課題となります。ロシアのように手袋着用を義務化するほうが簡単かもしれませんが、猛暑を迎える国々で手袋着用の義務化は進みにくいでしょうから、商品開発が進むと思います。自動券売機や自動販売機はキャッシュレス化をさらに推進させることになります。

ヒトとの接触自粛により激増したのが「テレワーク」です。IT技術と通信環境が高度に進歩した現代において、ホワイトカラーの「テレワーク」はもっと早く普及するはずでした。しかし、仕事を成果よりも態度で評価する従来の価値観から脱却できずほとんど普及しませんでした。今回の新型コロナウイルスの蔓延は、この常識を破壊し、ものすごい勢いで仕事の未来形を創造しています。「テレワーク」はその代表例です。ZOOM、TEAMS、SKYPE、LINE等だれでもすぐに利用できるアプリが大流行です。「テレワーク」は国内外のどこに住んでいてもネット環境さえあれば仕事ができるようになったのです。おそらく、職場にはアバターロボットがいるだけになります。不動産バブルの牽引役である都心のオフィスビルニーズが変化し、へき地や郊外が活性化する可能性が出てきました。サテライトオフィスも増えます。

3密防止の観点で見れば、従来は省人化・無人化による生産性向上の一環で、生産分野、物流分野で進んでいた革新がコロナ対策でさらに進化します。それは専門機能に特化した様々なロボットの開発です。物流ではすでにAmazonが従来の価値観を破壊しています。従来、商品ピッキングは固定棚にある商品を取りに行くのが当たり前でしたが、Amazonでは商品棚を乗せたロボットがやってくる方式になっています。工場の生産ラインでは産業ロボットはすでに常識ですが、さらに進化して場内物流ロボット、3Sロボット、検査ロボット、受付ロボット、警備ロボットなどがすでに開発され運用されています。

シンガポールでは公園をパトロールする犬型ロボットが活用されて、海外では出前ロボットが公道を走っています。日本でも、ロボットが公道を走れるように動き出すでしょう。ドローン普及のためにゼンリンが3次元マップの製作に歩を進めています。

「新型コロナ」を機に、社会もビジネスも人々の意識も変革を余儀なくされています。終息しても元の形に回復することはありません。「わが社はどうするか」を従来の価値観をいったん横において、ブレーンストーミングしてはいかがでしょうか?