No.1110 ≪世界危機!大恐慌到来!日本は脆弱性を乗り越えられるか≫-2020.4.22

昨日(2020年4月21日)驚天動地の大変なことが起きました。新型コロナウイルスの影響で、原油の先物市場が大幅下落し、1バーレル△37.83$という異常事態が起きました。1バーレルは159リットルです。マイナス金利はお金を払って預金しますが、原油は買えばお金がもらえるのです。これは一時的な先物市場の出来事とは言え、世界中のあらゆる産業や暮らしを巻き込む大変なことになりました。では、どこかの国がこの原油を買えるかといえば、買えません。巨額の資金投資と数年の時間を使ってパイプラインや大型タンカーを新設し、備蓄タンクを無数に新設しないといけないからです。このニュースは世界一の埋蔵量を誇るアメリカのシェールオイルを直撃するでしょう。アメリカ経済が持つのか心配です。

新型コロナウイルスは、人類史上もっとも豊かで便利で平和で平等な現代文明を、一瞬のうちに根底から破壊し、「見えない戦場」に変えてしまいました。0.1ミクロンというたばこの煙よりも小さな粒子の新型コロナウイルスは、台湾を除くどの国の科学技術も無力化し、いとも簡単に世界中に蔓延しました。
世界最高峰の科学技術を誇る先進国はなすすべもなく、巨大都市を数週間にわたってロックダウンするという原始的な方法以外対処法がありません。ある国では抵抗する者は銃殺する、ある国では拘束する、ある国では巨額の罰金を科す制裁を加えないと制御できません。そしていまだにウイルスの正体すらわかりません。
私の師匠の一人は「ノストラダムスの大予言は新型コロナウイルスのことを言っていたのではないかと思う」と言っておられました。

新型コロナウイルスが武漢で12月初旬に発生して20週間、1月11日に中国がWHOに通報し、日本は2月1日に「指定感染症」と指定。アジアの感染症と思っていたらヨーロッパ、アメリカに感染し、3月9日にイタリア全土がロックダウンして以降、3月17日にフランス、3月22日にイギリスとニューヨーク、3月27日にスペインと次々とロックダウンし、人々は移動を禁止されゴーストタウン化しました。
WHOがやっと「パンデミック宣言」をだしてから6週間、安倍政権がやっと「緊急事態宣言」を出してから2週間。今回の新型コロナウイルスは過去の経験や手法が全く通じない事態にまだ気づいていないか、見ないふりをしているようです。次第に日本の脆弱性が露呈してきました。

再生医療は最先端でも、古典的な感染症に対しては防衛体制が全くできていないこと。3月5日号でも述べましたが、日本の感染症対応の特定医療機関は全国で4病院、ベッド数はなんと10床です(厚生労働省ホームページ)。
SARS、MERSの教訓は何も生きていません。アジアの有事に対応できる病院船構想もありましたがとん挫しました。感染防止の基本セットであるマスクも防護服も消毒液もほとんどが輸入に依存していることもわかりました。国策で観光立国を目指しインバウンドを増やすとき、どんな感染症が入ってきても対応できる基盤整備や入国管理段階で断固たる処置がとれる法的整備も必要ですが、どれもなかったようです。
BCP( Business Continuing Plan)は企業の安全保障上のリスクマネジメントですが、国は当然整備しておかねばなりません。どうも機能しなかったようです。「想定外」と「政治的思惑」で終始しました。マスクや防護服や消毒液や人工呼吸器やECMOは専売公社を設立して国策で備蓄する必要があると思います。

自粛要請と補償はセットが原則です。4月17日に安倍総理が記者会見して、どんでん返しでやっと一律10万円支給が決まりました。
「新型コロナウイルスを終息させるには『人の移動を止める』しなかい。自粛で不便をかけるがよろしく頼む。生活費の一部として10万円支給する。終息するまで継続的に支給するので安心して家にいるように。ともに乗り越えよう」という国家の意思表明だと思っていましたが、どうも「これっきり」の様相を呈しています。
もし、今回限りの単発支給なら、国家の責任で新型コロナウイルスを5月6日までに必ず終息させねば筋が通りません。しかし、「手を挙げた人に支給する」という財務大臣もおられ、世界第3位の経済大国日本がびた一文出したくないセコイに国なり下がったこともわかりました。
なんでもかんでも国民の選択に丸投げして、責任放棄ともとれる国の姿勢には、今まで安倍政権を信頼して支持してきた私も開いた口が塞がらないほど驚いています。議員は10万円給付金を辞退するそうですが、それは絶対だめです。辞退すべきは年間約4200万円もかかっている議員歳費です。国家が滅んでからでは遅いです。まして、政府が営業自粛を要請=強要している時に、要請を無視して営業しているセクシーキャバクラに行く議員の歳費で何人の人が助かるか。420人分の10万円支給ができます。何か、おかしな論理やおかしな意見がまかり通るのはなぜなのでしょうか?

企業は有事に際して生き残るために1年分の資金調達をしなければなりません。少なくとも6か月分は必要です。想定外の不測の事態はあちこちにあるからです。企業でさえ、1年分の資金調達をして戦わねばならないのですから、未曽有の国難といえる新型コロナウイルスに際しては、国家は借金してでも年間GDPを投入するのが当然です。
かって、日本は開国して40年たったころ、日清戦争に勝利して満州国を領土とした日本は国難に直面しました。日本も支配下におさめようとする超大国ロシア帝国の南下政策に戦いを挑みました。自国の領土を守るのは独立国の使命です。
日本とロシア帝国。世界中のだれもが日本に勝ち目はないと思っていたことでしょう。多くの犠牲者を出しながらも善戦する日本の戦い方をみてアメリのセオドア・ルーズベルト大統領は仲裁役を買って出てくれ、ポーツマスで講和条約を締結する手助けをしてくれました。日本はロシアに賠償を求めない代わりに韓国を保護国とし、満州国の自治を認めさせました。
日露戦争の戦費は国債発行で賄われましたが、当時の国家予算2.6億円の時、約6倍近い14.7億円(内外債13億円 金利6%)の国債発行して賄いました。負けるとわかっている国の外債はだれも買ってくれません。苦戦した挙句、イギリス銀行団と米ユダヤ人銀行家ジェイコブ・シフ氏が購入してくれました。日露戦争の国債の完済は、なんと1986年までかかりました。
このことを考えれば、世界的・歴史的危機の新型コロナウイルスの感染防止に、年間国家予算の5倍以上の資金投入は当然でしょう。今期の国家予算は約100兆円ですから、500兆円~550兆円にあたり、年間のGDPに相当します。

ヨーロッパの特権階級の貴族は率先して祖国防衛の義務を負い、危険を顧みず果敢に戦場で戦う誇り高き哲学を持っていました。「ノブレス・オブリージュ」といいます。新型コロナと戦う医療関係者は特権階級ではありませんが救える命を救うという使命感で危険を顧みずコロナと戦っています。特権階級である国会議員や高級官僚は今こそ日本版「ノブレス・オブリージュとはこれだ」という哲学を発揮すべきではないでしょうか? あまりにセコイ政権では、新型コロナウイルス終息後にそのツケを払うことになるのではないでしょうか。